私は新卒で添乗員を3年半ほどやっていました。
同じ添乗員の方は分かると思うのですが、車内販売をするツアーってありますよね。
例えばバスツアーの道中でチラシを配り、「こちらの車内販売で購入するとお得ですよ」とお土産を売ります。
特に販売ノルマは無かったのですが、ゲーム感覚で「どう案内したら売れるんだろう」と試行錯誤していた時期がありました。
それで、毎回そこそこ売れるようになりました。一番売れたときは、日帰りのバスツアー中にダンボール約4箱分のお土産が売れて、隣のバスの添乗員さんに驚かれました。
バブルで景気が良かったとかでもないです笑
ただ、さすがにそこまで売れるのは稀ですが、おおよそ「こう案内しておけばまったく売れないことはない」というパターンが自分の中でできました。
私が意識していたのは、この2つくらいです。
- 「美味しい」は使わない
- なんで車内販売で買うと良いか?を伝える
詳しく書いてみました。
売り文句で「美味しい」は使わない

バスツアーでお土産を売るとき、「これすごい美味しいんですよ」といった「美味しい」という言葉は基本使わないようにしていました。というのも、食べたことないお土産とか普通にあったので。
あとは、車内販売するのお土産が10種類くらいあると、「美味しい」を使いすぎるとむしろ個性がなくなります。そもそも「美味しい」という言葉自体が人によるものですし、マズイお土産がある方が稀でしょう。
「添乗員のおすすめ」という説得力はありますが、車内販売ではいいかなと思って「美味しい」フレーズはそこまで使いませんでした。
なんで車内販売で買うと良いのか?を伝える

じゃあ何を伝えるのか?お土産の豆知識?いえ、違います。
正直、お客さんからするとバスツアーの道中で「お土産はどこかで買えるだろう」「それなら自分の好きなものを選んで買いたい」と思っています。つまり、「わざわざ車内販売で買わなくてもいい」ということです。
では、何を車内販売で案内するのか?
それは、「今日のツアーであなたが車内販売を利用するメリット」を率直に伝えるだけです。
例えばツアーの行程でお土産を買う時間が少なそうだとしましょう。
お土産屋さんの立ち寄りがないとか、観光地の滞在時間は買い物をしてると時間がなさそうとか。
それって、お客さんからすると分からない情報なんです。
なので、「本日の行程でお土産を買えるタイミングは・・」と車内販売と合わせて、お客さんはどのタイミングでお土産を買えるかを案内します。
それで、「観光地で見ることに専念したい方は、先に渡したいお土産を車内販売で買っておくと安心です」と案内します。または、「観光地で夢中になってるとお土産を買い忘れたりすることもあると思うので、最低限の量を買っておいて、余裕があれば現地で買うこともできます」「観光地でお土産を持ち歩かずに済みます」など。
そうすると、そもそもこちら都合の売り文句ではなく、ツアーを充実して過ごせる有益な情報にもなります。なので、耳を傾けてくれて「買ってみてもいいかも」となります。
旅行中で単価も高くないので、心理的なハードルもそんなに高くないはず。むしろお買い物したい人もいるはず。
そんな感じで相手目線の車内販売のメリットをいろいろ伝えていきます。
この姿勢を崩さなければ、基本的にはまったく売れないことはないかなーという体感でした。
スムーズに集金・配布まで案内する

車内販売は、案内後に集金・支払い・お土産を配ると・・・売れば売るほど手間が増えるのは正直なところです笑
でもゲーム感覚でたくさん売れるときが嬉しくて案内はしっかりやっていました。
先ほどの案内で興味を持ったとしても、申し込みがなんかめんどくさいな〜と思われると変われません。なので、お土産を買いたい方はこうしてくださいね。という案内と、どのタイミングでお渡ししますという終わりまできちんと伝えておきましょう。
地方発のツアーのほうが売れる傾向

ツアーの発地によっても車内販売の売れる傾向はあるなーと思います。
基本的に地方というか、田舎寄りの地域から出発するツアーのほうが売れる気がします。
おそらく配る相手がいる人が多いのでしょう。
反対に都市発の場合は売れて2-3人ということもありました。
車内販売を頑張る人は少ないので頑張れば売れる

私の場合は車内販売にノルマがあった経験はないです。
ただ、このラインを売れば添乗員にも特典をお渡ししますーみたいな案内は、何度かクリアできていました。
そもそも、車内販売に力を入れる添乗員は多くないと思います。(ノルマじゃないので)
なので、きちんと案内するだけで「頑張ってるわねぇ」という気持ちで少し買ってくれていたというのも今振り返るとあるかもしれません。
私はこのときの経験が少し自信になって、2社目は営業職に転職しました。
おすすめの販売・接客本
今回はドンピシャで「添乗員の車内販売」というニッチな記事を書きましたが、販売や接客に関しての本はいろいろあります。
下の2冊の本は営業職に転職してから読んだ本ですが、接客と販売面で参考になる本でおすすめです。
「日本一売り上げるキャバ嬢の 指名され続ける力」著者:エンリケ
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名古屋の高級キャバクラに現在も現役で活躍されているキャバ嬢、エンリケさんの本です。
話も面白いので、息抜きにも読みやすい内容です。
参考にしたいのは、売り上げる人はその人に合った方法を突き詰めているという点でしょうか。
当たり前に思える項目も、結局実際に動けるか動けないかという差があります。ここをどう乗り越えるか、キャバ嬢のトップを見て良い刺激になる1冊です。
「元ルイ・ヴィトンの販売実績No.1が伝える 売上が伸びる接客」著者:鈴木比砂江
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ツアーに参加してくれるお客さんは、大切な1回の旅行・・・。そう思って接客をしていても、忙しい日々を過ごしていると少し忘れがちになってしまうときもあります。
そんなとき、接客のプロの人の本を読むと「がんばろう」と自分の気持ちを引き締めてくれます。
そういう意味も含め、おすすめの1冊です。